野球観戦とTさんと古い話

今年の阪神タイガースは強いですな。
9得点差をひっくり返して逆転勝利したかと思ったら、今の時点でリーグトップの貯金10って、どうなってるの。
僕は年に数回、球場へ友人達と野球観戦へ行くんです。
すると中には、目が見えないのに野球観戦なんかして面白いのなんて僕に聞いてくる人もいるんだ。
僕は、そんなときはこう答える。
ナマ観戦の臨場感はテレビでは味わえないこと。
応援している球団のファンとの一体感があること。
試合の展開はラジオの実況をイヤホンで聴いたりとか、
隣に座った友人が展開を教えてくれることを伝えます。

そして、何より家の玄関から外へ出た爽快感だと思う。
野球観戦といえば、昔こんなことがあった。
まだ視力のあった若き日の僕は、当時おつき合いしていた健常者の彼女さんを野球観戦へ誘った。
応援している球団のそろいのユニフォームを着て、二人は童心へ返って一喜一憂した。
試合が進につれ彼女さんは僕のことなんか忘れて熱狂してる。
そこへ観客席へ飛び込むファールボールを知らせる軽微の人の笛の音が響いた。
ピピピー!という笛の音と彼女さんのキャーという叫び声。
僕はどこへ飛んでくるのかと身構える。彼女さんはそんな僕の大きな体を殺陣にするかのように僕の背後に身を隠すようにした。
僕もボールがこちらへ飛んでくるなと思ったので身をすくめた。
その瞬間、僕の背中にボールが直撃!痛いのなんの。
それが原因で喧嘩はしなかったけれど、あの時おつき合いしていたTさんは元気しているだろうか。
タイガースに掛布選手が入団した頃の古い話である。

ネタ切れ

町で出会う小さな親切もちょいとしたハプニングも一人で外出してこそ多く直面するものである。
最近は同行支援のヘルパーを伴って外出する視覚障害者が増えた。
駅ホーム転落のリスクを避けたり、スムーズに目的の用事を済ませるには、それが最良でもあるんだけれど。
僕のように毎日通勤で出歩くものはよほどのことがない限りヘルパーを使わない。
自動販売機の前で小銭を落として困惑していた僕に見ず知らずの人が手を貸してくれたり、
公園の大きな花壇の周りを囲うように設置された点字ブロックとは知らずに、そこを白杖でなぞりずうっと歩いていたことに気づいて意気消沈した、、なんてことはヘルパーと一緒ではありえないことだ。
このブログで紹介している「視覚障害者あるある」は、自立の友人達と僕の実体験から生まれたものです。
そういえばしばらく、「あるある」を更新してなかった。
昔は、視覚障害者の知人に「あるあるのエピソード、教えてよ」なんて尋ねると即座に話が聞けたもんだけれど、
最近はヘルパーと一緒に外出する人が増えたこともあって、寝た不足といったところです(苦笑)

今週も気を引き締めていこう

職業柄、GWとは無縁の僕。
11連休だったという友人の話を聞いてもぴんとこないんだな。
ちょいとうらやましいとも思うけれど、
その反面それだけ仕事を休む感覚はどんなかなって、ちょっと不思議。
夕方、近所の床屋さんへ行くいつもの県道はいつもより車の往来が少なかった。
歩道のない県道の端をいつもは車に怯え歩く僕だけれど、この日はリラックスして白杖を振ることができた。
これもGWならではのことで、感謝感謝と白杖の音も軽やかに夕暮れの県道に響いた。
さあ、今日から世間様にいつもの生活が戻ってくる。
僕も気を引き締めていこうと白杖を握りしめる週の始まり。

白杖の残念なお話

久しぶりに白杖のお話です。
少し目が見えていると白杖を持ち歩くことが気恥ずかしいものなんです。
白杖がなくても歩けるという自信みたいなものもあったりもします。
その気恥ずかしくて、白杖を何でもたにゃいかんのよという感覚は生まれつき目の見えない人には理解しがたいかなとも思うんですが。
物心着いた頃から白杖を使っている彼らは、白杖が体の一部になってますから。
そして、僕のような中途失明は、最初は仕方なく白杖を使い出したというのが本音かな。
歩行訓練をして白杖の使い方を覚えないと外出できませんからね。
白杖で町を歩いていると沢山の親切に出会います。
しかし悲しいこともあります。
白杖を見て、あっ目の見えない人だぁ!と子供に大きな声で叫ばれたりもします。
道端や電車内で談笑していた人たちが白杖の僕らが近くへ寄ると話すことをやめてしまう場面にもよく出くわします。
あからさまに、ああいう人は年金を沢山もらっているなどと会話している人たちもいるんです。
人込みで白杖に足を引っかけた人に、バッキャローあぶねーなと怒鳴られたり、舌打ちされたりとかも。
少し見えている友人は、視覚障害者を偽った偽物といわれたそうです。
全部が全部悪気があるわけではないと理解はしていますが気持ちよくないです。
白杖を持つことにはこんな思いをしている人もいることを知ってほしいです。
そしてそんなことが理由で白杖を持つことを拒んでしまう弱視の人もいることも事実です。
白杖は全盲だけでなく、少し見える弱視の人も使います。
すがるような思いで携行している白杖を温かく見守って下さい。
理解して下さい。お願いします。

タンデムと僕と春の休日

この日は仕事休み。外は贅沢なくらい初夏を感じる太陽の日差しが降り注ぐとてもいい天気だ。。
冬の間ほとんど乗れなかった愛車のタンデムを洗車してあげることにした。。
タンデムはシートをかぶったまま庭の隅に置いてある。
大きなシートをめくるとちょいとすねた顔のタンデムがいた。
うっすらと埃のついたフレームを指でなぞり僕は、ごめんよとタンデムにいった。
水の入ったバケツに新しいタオルをしたしてよく水をしぼった。
そのタオルで母親が赤子の顔を拭くかのごとくフレームや車輪を丁寧に磨いて上げた。
さっきまですねていた顔のタンデムが元の凛々しい姿になっていく。
「今すぐにでも走りたいよ」と言うタンデムの声が聞こえたような気がした。何度も何度も。
僕はそんなタンデムの主張にちょいと切ない気持ちにさせられた。
パイロットがいなければ走らせてあげることができないこと。
と、同時に乗ることのできない僕のもどかしい気持ちが交差した。
でもそんな複雑な思いもタンデムがピッカピッカになった頃には晴れていた。
空から降り注ぐ太陽の日差しとそよそよと吹く風の心地よさに、これから始まるシーズンに旨が高まるタンデムと僕であった。
そこにタンデムがいたから、こうして外に出ることができた。
僕は、大きなシートを丁寧に磨き上げたタンデムにかぶせながら「ありがとうよ」と、タンデムに向かって言った。
バケツを片付ける足元に手をはわせるとシャクナゲの花が咲いていた。
続く
プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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