混浴温泉風呂

もうだいぶ前のことなんだけれど僕が30歳くらいだったかな。ある集まりの親睦旅行で温泉旅館に泊まったんだ。話は相部屋のみんなが寝静まった、その晩のことなんだけれど、僕は何故か朝方まで寝付けなくて風呂に一人で行くことにした。時間は早朝4時くらいだったかな。
そこの旅館はそれなりに大きな宿で、大浴場に行くには、長い廊下の角を幾つか曲がって、エレベーターで地下まで下がるそんな構造だった。僕は少し見えていた視力と一度みんなで入浴に行ったときの道順を頼りに、薄暗い廊下を文字通り、手探り脚探りで大浴場まで辿り着いたんだ。

脱衣場には、しーんとして誰もいなかった。やけに蛍光灯が眩しかったことを覚えてる。僕が浴衣を脱いでタオルを手にしたときだった。脱衣場の引き戸ががらりと開いてお婆ちゃんたちが4人やってきた。
お婆ちゃんA、お兄ちゃん、ここは女風呂だよぉ。
僕、えっ!うそだぁ 間違えた。お婆ちゃんB、男風呂は隣だよ。
僕、ごめんなさい。今出て行くんで。
そんなやりとりの後、そそくさと身支度をしているとお婆ちゃんたちが、僕の目の悪いことに気づいたみたいだ。
お婆ちゃんB、あんた、目が悪いんだろ。
お婆ちゃんC、危ないから一緒に入ってきなさいな。
お婆ちゃんA、なーに恥ずかしがることはない。うちの孫みたいなもんだよ(笑)
お婆ちゃんD、アタシがお世話してやるからね。
僕、あふあふ。
そんなやりとりの後、ほとんど強引に、お婆ちゃんたちに手を引かれ、背中を押され、混浴する流れになったのでありました。
後は、至れり尽くせり子供の頃に祖父母と入浴したときのような至福の時間でありました。最後は、僕も開き直って、お婆ちゃんたち一人一人、背中を流してあげました。
ローラースケートを履いたジャニーズがお茶の間のテレビを賑わしていた頃の古い話である。
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ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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