私はこうして駅ホームから落ちました

また、視覚障害者が駅ホームから落ちて亡くなった。今度は、盲導犬を連れた男性が尊い命を落とした。ニュース報道によるとホームの端を歩く盲導犬を連れた男性を事故直前にけっこうな人が目撃していたそうではないか。見ていた人は、「盲導犬と一緒だから大丈夫だろう」と思ったのかも知らん。しかし、誰か、誰か一人、「電車が入ってきているよ!」とでも言うが早いか男性の腕でも腰でも引き寄せてくれるよな人が、その場に居てくれたらと悔やまれる。
実は、駅ホームから落ちた経験のある視覚障害者はけっして少なくない。僕の周りにも自分を含めて経験者はけっこういて、その知り合いの中には亡くなった人もいる。今回は、そんな話を全盲視点で書いてみたいと思う。
山手線の駅ホームから落ちて亡くなった人は、活発な若い男性でした。下車した場所がホームの端で、ホームの幅が極端に狭くなっていて、降車した反対側のホームから転落してしまった。盲導犬と一緒に落ちた人は、やはり自分が線路側を歩いていたそうです。幸いその方は軽傷ですみましたけれど。
つい最近では、僕のランニングサークルに所属している男性が朝の通勤のホームで落ちました。点字ブロックの上を歩いていてハッ!としたときには落ちてしまったそうです。直後に、「人がおちたぞ!」と、群衆から大声が上がり何人かにより引っ張り上げられ助かったそうです。その直後に電車が入線してきて怖かったと体を震わせて話してくれました。
最後に、僕は二度、駅ホームから落ちたことがあります。一度目は、まだほんの少し視力が残っていた頃で、少し過信があったのでしょうねー。飲み会の帰りで、ちょっと酔っていました。そのときの記事はこちらです。
http://sirotuebanana.blog.fc2.com/blog-entry-60.html?sp

二度目は、全盲になって間もない頃でした。けっこう大きなターミナル駅ホームでのことでした。ホームにはけっこうな乗降客が行き交っていて、構内アナウンスと発車ベルの音、電車の走行音、人々が交わす話し声などの音の洪水に僕は飲み込まれていました。点字ブロックの上を歩いていたはずなのに気がつくと点字ブロックから外れてしまっていました。
冷静さを欠いた僕は周囲の人に、手助けの声を上げることを忘れてました。点字ブロックを探しながら完全に方向感覚を失った僕はよくわからないうちにホームからおちていました。奇跡的に足から着地することができたのですぐに腕をホームに伸ばしました。ホームは思っていた以上に高くて、指先がホームの端に架かるのがやっとでした。
そのときは、居合わせた人々に救助され事なきを得ましたが、そのときのことがトラウマで、今でも駅ホームを白杖で歩くときはガチガチに緊張します。
では何故にホームから落ちてしまったかと思い返してみると、当たり前だけど点字ブロックは、ホームの端にある。そこを白杖で確認しながら歩くわけだからそれだけでも危険と隣り合わせである。点字ブロックの上を歩いているとけっこうその上に立っている人がいる。ときには、荷物が置いてあることもある。電車を待っている乗客は点字ブロックギリギリに立っているので、実は点字ブロックの外側、線路よりが歩きやすいわけだ。白杖は点字ブロックをなぞり人がいないスペース、点字ブロックの外側を歩いてしまった。乗客や荷物を避けようとして落ちた。人に押された。人とぶつかった。ホームの幅が狭くなっている階段付近でも事故が多発している。
僕はこれまでのべたこと以外に危機一髪!周囲の人に助けられたこともある。それは落ちそうな直前に腕を捕まれて制止させてもらったり、「私と一緒に乗りましょう」と、声を掛けてくださり腕を組んできた人もいた。電車が来るまで腕を放さずいてくれた。名前を聞いても語らずにその人は、「気をつけてね」と言って立ち去りました。駅のホームが欄干のない橋ならば、駅ホームで声を掛けてくださる人は、「命の恩人」と言っても過言ではないと僕は思う。
駅ホーム転落経験者はたまたま電車が来なかっただけ。死んでいてもおかしくない。もうそんな怖い思いはしたくないし、これ以上犠牲者が出てほしくない。「ご一緒しましょうか」、「お手伝いすることはありますか?」など、健常者の皆様、駅ホームで、不安そうにしている、危険だなと感じた白杖の人を見かけたらそんな声掛けをお願いします。
改めて駅ホームから落ちて亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたします。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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