片目のジャック 2

ガキの頃に草野球をしている最中に目を負傷して左目が義眼になった僕は、もう片方の目、0.2の視力で半生を過ごしてきた。
義眼になったばかりの頃は、それが原因で学校のクラスでよくからかわれた。僕に片目のジャックとあだ名がついた。僕はそのあだ名が嫌でたまらなかった。そのことがコンプレックスになって僕はしだいに不登校になっていった。
ガキが学校に行かなくなると、ろくでもないことをしだす。駄菓子屋とかドライブインのゲームコーナーに入り浸りになり、そこに群れる連中とつるむようになってからは、半愚れのような生活をしていた。
だけどそこでも所詮、片目が義眼で視力の悪い弱視、バイクに乗ることもできなければ、まともな喧嘩もできない情けないパシリのような存在だ。
僕らがたまり場にしてた喫茶店にギターケースを背負った盲学校の生徒達がよくお茶しに来た。聞けばバンドを組んでいるという。
彼らのライブに行ってみた。そこで僕が目にした彼らは、僕が憧れてきた誰よりも格好良くて、輝いていた。そして、半愚れの自分の愚かさに気づくのであった。
そんな彼らとの出会いがあったり親の薦めで、僕は盲学校に通うことになる。
目の不自由な彼らの演奏を聴いて僕は、いったい何て馬鹿なことをやっているんだろうと気づかされた。
僕より目の悪い彼らが明るく前向きに生きているというのに、自分はなんて情けない人間なんだと。
その時に彼らが演奏していた、アリスの「遠くで汽笛を聞きながら」
その演奏を聴いて僕は人目もはばからず号泣してしまった。
若き日の思い出である。最後まで読んでくださり有り難うございました。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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