電車の女の子

僕たち、白杖使いが困っていることのひとつに電車に乗車した時に、空席がわからなくて座れないということがあるんです。
その朝も空席がわからなくて、ドア付近に立っていました。
そんな僕に若い女性が、「座らないんですか?席空いていますけど」と声を掛けてきたんです。
僕は断る理由もないので促されるように、その人の隣に座らせてもらった。
その人が話しかけてきた。「目のご不自由な方は空いている席はわかりにくいですよね」、確かそんな切り出しだったと思う。
僕は、そんな問いかけに、空いている席を探している時に乗客の足を踏んで怒られた話とか、座っていた乗客の膝の上に間違って腰を下ろしてしまった経験をユーモアを交えて話をした。
そんな話から会話が弾んでその女性は就活中の大学生であることがわかった。彼女はこれから面接だと言う。彼女は聞きもしないのに緊張していることや、将来の夢や不安を僕に話してくれた。
僕はそんな彼女の話を「うんうん」と聞いてあげることしかできなかった。
そうこうしていると僕の下車駅。僕はそんな彼女に席を教えてくれたお礼と、「大丈夫、落ち着いて」そう彼女に言って電車を降りた。
扉が閉まり彼女を乗せた電車がゆっくり動き出すとガラス窓を中からコンコンと軽く叩く音がした。

僕はきっと彼女の合図だと確信し、ホームを出て行く電車に向かって
「頑張れ!」と言って電車を見送った。
今頃は採用されて夢に向かって活躍しているだろうと、そう信じたい。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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