反発

白杖を持つことに抵抗があって、こんなオイラでも白杖を使わないことがあった。思春期真っ盛りな盲学校の高等部時代からのことである。百恵、淳子、昌子の中三トリオがテレビを騒がせていた頃の話だ。その頃はまだ片目に0.2の視力があって白杖がなくても歩くことにさほど不自由はなく晴眼者とそんな変わらない日常を送っていた。学友には生まれつき目の見えない全盲や弱視の子もいれば何らかの都合で普通の学校から転入して来る子もいた。盲学校というところはそんなところだ。大半の生徒は寮生活をしていたがオイラは自宅通学をしていた。
そして登下校には当然、学校から白杖を携行するように言われていた。でも思春期真っ盛りなオイラは周囲からの眼が気になって白杖を使わなかった。そんなことより長ランにボンタン、ポマードべっちょりリーゼントをクールに決めて粋がっていた。そんなオイラが白杖を持ったら木刀にしか見えねえべ。まぁそれはそれとして、視力のちょいと悪いことにも白杖を使わなければいけないことに、さほど危機感を感じていなかった。格好つけたいし、女の子からも注目されたい、そんな年頃である。
恥ずかしい、照れくさい、めんどくさい、そんな理由で白杖を使わないオイラに担任が弱視用の白杖を携行することを進めてきた。スチール製の子供の背丈ほどの細く短い白杖だ。折り畳んで持ち歩けという。「こんな白杖なんの役に立つんだよ」と反発するオイラに担任は、「周囲の人にお前さんが少し目が悪いことをわかってもらうように持ち歩け」と言った。
「そんなの恥ずかしいよ!」、担任の忠告は右の耳から左の耳へ通り抜けた。後にその白杖すら持たずに、町中を肩で風を切って歩いていたことがとんでもない事件を引き起こした。そして、その担任とも長いつきあいになるのであった。次回は、とんでもない事件?の話をしよう。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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