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この目に感謝

見えていた頃の日々に感謝してみる。見えていた頃はその見えることのありがたさに気づかなかった。
生まれつき目の不自由な人の気持ちもわからなかったし、中途で失明した人の苦しみすらわからなかった。
そうしたことすら気付かずに生活させてくれた半生に感謝だ。
僕は山間の町で生まれた。
ウサギ追いしか野山 小鮒釣りしかの川、そのままなふるさとである。
野山の緑、透き通った川や湖の美しさはこの目に忘れない。
生んでくれた両親の顔も知っている。感謝だ。
チャンバラ遊びもした。自転車で走り回ったりもした。
木造校舎の小学校に通うこともできた。感謝だ。
姉の似顔絵を描いて先生にほめられたっけ。
お祭の太鼓も叩いたし、夜空に打ち上がる花火も見せてもらった。感謝だ。
エロ本も死ぬほど見たし、ドリフの全員集合は毎週テレビにかじりついた。官舎だ。
盲学校の高等部では弱視の僕はヒーローだったし、女学生だった女房の顔も知っている。
デートでは2人分の目にもなれた。感謝だ。
結婚式では、女房の花嫁姿を見せてもらった。キャンドルの火もつけたっけ。
子ども達が成長していく様子も見せてもらうことが出来た。写真も数えきれないくらい写した。感謝だ。
ランニングも好きなときに好きだけ走りに行けた。感謝だ。
伴走をして仲間の目にもなれたし、その目はよく働いた。感謝で有る。
今は、何も見えなくなったけれど光を感じないこの目が好きだ。だって沢山のものを見せてくれた恩人だもの。
目が見えなくなっただけで、こうして命あるありがたさも教えてくれている。感謝で有る。
お母さん、こんな僕を生んでくれてありがとう。あなたに感謝しています。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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