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嗚呼 南部トリムマラソン完走記

時計を持たずに走るマラソン大会に参加してきた。
所属クラブの創立20周年行事の一環のひとつとして仲間達と沖縄へ走り旅に出かけてきた。
開催日の3月19日に向けて限られた時間で練習した。禁酒も一カ月した(笑)
南部トリムマラソンは、エントリー時に申告タイムを告げておいて、よりそのタイムに近いタイムで完走を競い合うユニークな大会だ。
エントリーをしたのは去年の十一月のことで、僕はハーフの部を2時間00分を目標に申告した。
その時は開催まで時間もあるし余裕だろうと思っていたけど甘かった(笑)
僕にはこの大会に向けて幾つかの楽しみなことがあった。
それは、沖縄の伴走グループとの交流と仲間達との旅、そして伴走をお願いしたMさん♂との再会である。
Mさん♂は、以前にランモードに所属されていた伴走者で現在は沖縄に住んでいる人だ。
大会当日は生憎の雨だったがそこは沖縄、寒さは気にならなかった。
Mさんとは、現地の伴走グループが準備してくれた陣地で再会した。
僕らは4年ぶりの握手をした。Mさんは若々しくあの日のままだ。
小降りだが雨は降り続いている。Mさんが用意してくれた大きなビニール袋を雨合羽替わりにしてスタートの整列に並んだ。
場内に流れる音楽や周囲から聞こえてくる方言混じりの会話から琉球ムードが高まってくる。沖縄へきているんだなと実感する。
号砲を合図にゆっくり走り出す。沖縄の大会は本土の大会に比べ、のんびりとしたスタート風景である。僕はそんな沖縄も好きだ。
mさんと互いに握るロープが4年の月日を埋めていく。
いつもは暴走ランナーに怯えて走るスタート直後の雑踏もこの時はリラックスして走れた。
風に香る酸っぱい匂いがする。
mさんに、この香りは何か尋ねると酢を製造している工場が近隣にあると教えてくれた。
子供達が打ち鳴らす太鼓の音が沿道から聞こえてる。元気をもらう。
雨合羽代わりにかぶったビニール袋のシャカシャカという擦れる音が気になりだした。
5kmもくると蒸し暑くなってきたのでかぶっていたビニール袋を脱いだ。
コースはゆるやかなアップダウンを繰り返す。
右手には白い砂浜のビーチが続く。
左手に広々としたサトウキビ畑が続く。
そんな風景が広がっていることをMさんが教えてくれた。
キロ表示もなく、時計を持たないので自分が今、どれくらいのペース配分で走っているのかわからない。体感に頼るしかない。
Mさんと走りながら話を沢山した。
群馬にいた頃もよく伴走してもらったねとか、沖縄の風土の話を聞かせてくれた。
そんな雑談の最後にこの日のレースが、Mさんの沖縄でのラストランであることに触れた。
Mさんは、仕事の都合で近々沖縄の地を離れるのだとか・・・。
僕は、Mさんのラストランの舞台に僕を伴走してくれたことに改めて感動した。
おおよそ15kmを過ぎた辺りから僕の体が重くなってきた。ガス欠の前触れである。
長い上り坂は歯を食いしばり走った。汗が滝のように吹き出した。
エイドでは、紙コップの水を一口飲んでは残りの水を頭からざぶりとかぶった。
糸満ロータリーを過ぎた辺りから更に体がいうことをきかなくなった。息が上がってしまった。
走れない自分自身が情けなく気持ちが何度もおれそうになった。歩いてしまおうかと何度となく思った。
Mさんが残り3kmだよと教えてくれる。僕は心で頷くことしかできない。
この日のために練習につき合ってくれた伴走者達の声が浮かんだ。
このツアーにこれなかった友のぶんまで頑張ろうと思い腕を必死に振った。
おそらく歩くような速さだったはずだけど、Mさんは何もいわずに僕のよちよち走りに合わせてくれた。
僕は、歩くことまで合わせてもらうわけにはいかんと自分を奮い立たせる。
自分の申告タイムに一秒でも近づいてやろうと走りにならない走りを続けた。
Mさんと一歩も歩かずにゴールするんだ!それだけだった。
子供達が打ち鳴らす太鼓の音が聞こえてきた。僕は声を振り絞って子供らにありがとうをいった。
Mさんが競技場に入ったよ!と伝えてくれた。
そこから何百メートルあったかはわからないがスローモーションのように時が進んだ。
山あり谷ありの人生のことだったり、誰かに支えられ助けられ生きていること、外で体を動かす気持ちよさ、Mさんと走ってよかった。
そんなことが一色に思い浮かんだのであった。
ゴールのマットを駆け抜けた後は僕には一歩も走れる力は残っていなかった。
申告タイムの2時間00分から16分過ぎてしまっていたけど、これが今の僕の全力である。
シートに倒れ込む僕をのぞき込むようにMさんが、お疲れさまと声を掛けてくれた。
僕は、ありがとうといった。おわり
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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