懐かしい音

山間の町で育った僕は毎朝、近所から聞こえる一番鶏の鳴き声で目を覚ました、コケッコッコー。
寝床の中でうとうとしていると何かいい香りがしてきて、台所からトントントン。朝飯を作る母ちゃんの包丁の音が聞こえてる。家の外からは鶏やら野鳥の鳴き声に混じって豆腐屋のラッパの音やら、納豆売りの声が聞こえ出す。
そうそう、ガチャンコン、ガチャンコン。牛乳配達のガラス瓶の音に、玄関の方からは、有線電話から流れるお知らせ放送も聞こえてた。
そんな昭和の朝の音はめっきり耳にしなくなった。
カチカチカチ!駅の改札口でリズミカルにハサミを動かす切符切りの駅員。
「弁当、弁当、べんと、べんとー」、ホームでは弁当売りの威勢の良い声。
駅構内を掃除する人のちりとりとほうきの音。ホームの売店で新聞を買い求める乗客の声。
駅長さんの笛の音。手動の発車ベルのけたたましい音。
昭和の駅には、そんな音がしたし、人の目もあった。
大工さんのトンカチの音に、正午を知らせるサイレンの音。カランコン、カランコン、路地裏から聞こえた下駄の音。
僕は、そんな昭和の町の音がふと恋しくなることがある。
そして、年を重ねて今年も迎えた「年の瀬」。餅つきの音に除夜の鐘の音までが薄れようとしている。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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