伴走者は凄かった 2

長年走っていると色んなことがある。ましてや一本のロープでする伴走ともなるといいことも悪いことも本当に色んなことにでくわすものだ。
視覚障害者マラソンは伴走者が必要不可欠だ。しかし時にこんな場面に出くわすこともある。
その休日の朝、僕達は二組の伴走ペアで待ち合わせた駅から隣町で行われる練習会の公園まで走っていくことになっていた。
ところが待ち合わせた時間直前に一人の伴走者がドタキャン。
三人は電車で移動することも考えたが普段あまり走る機会のない僕ともう一人の全盲の友人は距離を走りたいオーラ出しまくりである。
そんな様子に気づいた伴走者(女性)が言った。「あたいが二人まとめて面倒みよう。ダブル伴走するよ」。
とはいっても隣町の公園まではおおよそ15kmある。地方の田舎とはいっても歩道のない県道を走らなければならない。
最初は、伴走者と友人の男性がペアを組んだ。当時少し見えていた僕がその後ろにぴったりくっついて走った。前の人のシャツの色を見ながら走る感じ。
始めのうちはのどかな河川敷の遊歩道をのんびりと歩を奨めた。
伴走者が後ろを振り返って言った。「オッサン、しっかりついてきているかぃ!」、「車止めを右によけるよ!」。
僕、「あいよぉ!」そんな伴走者の気遣いと掛け合いで走っていた。
いよいよ難関に差し掛かる。歩道のない県道だ。
そうした狭い公道では、伴走ペアは横並びで走ると危険なので伴走者は、ロープの手を自身の真後ろに差し出さなければならない。
視覚障害者ランナーは、伴走者の真後ろにポジションを取り伴走者が差し出すロープに繋がり立てに並びで走ることになる。
そうした状況で、この日の僕たちはさらにもう一人!繋がって走ることになる。電車ごっこのごとくである。
立てに並びで走る二人の後ろに僕は、友人の真後ろにポジションを確保し友人のリックの紐につかまり走った。
三人で、いちにぃ!いちにぃ!声を出して、声を掛け合い走った。
伴走者は、往来の車に気を配り、田んぼに二人を落とさないように寿命の縮まる思いだったのに違いない。
幸いこの日は何事もなく目的の公園にたどり着くことができたが誉められたことでないと、この年になって思う。普段あまり走れない視覚障害者の心情を思い「走らせてやりたい」という、伴走者のそんな熱い気持ちが嬉しく、忘れることのできないエピソードである。
ランモードにはこんな凄い伴走者がいるというお話でした。
高橋尚子さんが金メダルに噛みついた頃の古い話である。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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