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桜の木の下で 淡い思い出

お花見のこの季節になると思い出すことがある。
当時おつき合いさせてもらっていた彼女とのことだ。
その彼女は全盲で、僕は休日にデートに誘った。
自分の中であそこへ行ってあれを見て、あれを食べてとか彼女に喜んでもらえるようにとプランをたてた。
お互いにおめかしをして電車に乗って町へ遊びに行った。
最初に水族館へ行ってみた。
弱視の僕は真っ暗な館内を水槽の明かりを頼りに歩いた。
目の見えない彼女に、水槽の中の魚の名前や大きさや色を伝えた。
彼女は、ふうんーと返事をしてニコニコしてる。
水槽の明かりで見る彼女の笑顔が可愛かった。
次に桜が綺麗な公園へ行ってみた。
僕は満開の桜の様子を彼女に伝える。
道の両脇から桜の木の枝がでていてピンク色のトンネルをくぐっているみたいだよとかあれこれ伝えた。
桜って匂いがしないのねと彼女がぽつりと言った。
僕が低い枝に咲いている桜に触れさせると彼女は優しい指使いでしばらく触ってた。
僕はそんな様子を診てはっとした。
いつもそうだった彼女とのデートは僕目線だ。
映画を見たり美術館やお寺を散策したけど、目の見えない彼女は楽しいのかな。
僕は彼女に申し訳ない気持ちにちょっとなった。
僕たちは満開の桜の木の下のベンチに腰掛けて、彼女が手作りしてきたサンドイッチを食べた。
僕は聞いてみた。君には花も魚も見えないけれど楽しいかい?こんなとこに連れてきてごめんねとも言ってみた。
彼女はけらけらと笑った。
何がおかしいのか聞くと彼女はこう言った。
普通の人と同じことをしていることが嬉しいこと。
それに貴方が一生懸命に見ている物が私の目だものと言った。
彼女は続けた。ほら貴方もそよ風が心地よいでしょ?私も一緒だよと笑った。
僕はこの人の目になろうと誓った。
ロン毛の中学教師がテレビドラマで活躍していた頃のB級な淡い思い出である。
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プロフィール

ちゃれんじぃ

Author:ちゃれんじぃ
毎日が色んなことへの挑戦だ!白杖への誤解や理解、日々のささいな出来事や感じていることを視覚障害者の視点からつぶやいています。アラヒフ世代・津軽三味線初心者・ジョギング・野球観賞・70年代フォーク&ロック・古きよき昭和をこよなく愛する全盲の伯父さんです。。

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